季節の変わり目。ほとんどの人が、ニキビや肌荒れが気になる時期だと思います。突然の肌の変化に、焦ってスキンケアを変えてみたり、食べ物を変えてみたり。
いったい何が正解なのか…分からなくなってしまうことも多いですよね。
そこで今回は、誰もが悩む「スキンケアについて」詳しくお伝えしていきます。
「いったい皮膚はどんな構造になっているの?」
「どのように美肌を作るの?」
「なんの成分が肌にいいの?」
などなど…肌を綺麗にしたい人なら、気になることが沢山あるはず。
間違ったスキンケアをしてないかと不安な方から、もっと詳しく肌ケアを知りたい方まで、様々な部分で活かせる菌ケア情報となっています。ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
- お肌の構造を知る
- 皮脂がつくるバリア機能
- お肌をコントロールするタイトジャンクション
- グリセリンはニキビの原因?
- 美肌菌の活発になる「弱酸性」を選ぶ
- クレイ(泥)の汚れを落とす仕組み
- 抗炎症成分で肌を守る
お肌の構造を知る
まずは、肌の構造から。自身のお肌の構造を知る事で、自分の肌とどのように向き合えばいいのかが分かるきっかけにもなります。専門用語も多いですが、ぜひ一度自分の肌はどのような構造なのか確認してみてください。
皮膚は上から
「表皮」
「真皮」
「皮下組織」
といった順番で構成されています。
その中でもっとも外側にある「表皮」。この部分について詳しくみていきましょう。
表皮は肌の一番上にあり、厚さも0.1ミリ〜0.3ミリ。とても薄くデリケートです。
しかし、なんとこの薄さの中に「角質層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」といった4つもの組織が含まれています。
このことから皮膚は何枚にも組織が重なっていて、私たちを刺激や摩擦から守ってくれていることが分かります。
そしてさらに、「表皮」の中の一番表部分にある「角質層」。
この角質層のケアがとても重要で、怠ってしまうことでアトピーや肌荒れなどの症状が現れてしまいます。
ダメージを受けやすい部分だからこそ、しっかりと外側から角質層をマネジメントしてあげることが、美肌への一歩目なのです。
皮脂がつくるバリア機能
角質層にはバリア機能という肌を守る機能があります。このバリア機能は外からの有害物質をブロックしてくれているとても重要な機能。ここに存在する「皮脂」がバリアの役割を持っています。
皮脂と聞くと悪いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、お肌を正常に保つためには欠かせない存在です。
皮脂とは皮膚からできる「脂分」のことで、膜状になることでお肌全体を覆っています。
つまり、スキンケア終わりにオイル系で蓋をする。という、いつもなんとなくしていたスキンケアも皮脂のはたらきを模したものだったということがわかるかと思います。
お肌をコントロールするタイトジャンクション
ここまで、角質層は一番外側にある組織だとご紹介しましたが、次は外側からはケアができない「内側に存在する組織」について。
角質層の下に位置しているのが「顆粒層」。この中には「タイトジャンクション」という組織が存在しています。
顆粒層は表には出ていない部分です。そのため、化粧水などの成分は届かず、外側からのスキンケアでの改善が難しくなります。そこで、主に内側からのケアが大切になってきます。
そして、内側からのケアでポイントとなるのがタイトジャンクションです。
実はこのタイトジャンクション。バリア機能の手綱を引っ張る、とても重要な組織なのです。
この組織は、細胞同士を接着させる“細胞接着装置“とも言われ、細胞間のつなぎ目を守る役割を持ちます。
それだけではなく、タイトジャンクションの活性化によりバリア機能が強化され、肌を弱酸性に保つ重要な役割もあることがが論文にて明らかになっています。
それでは、タイトジャンクションを整えるための内側からのケアとは、具体的に何をすれば良いのでしょうか?
答えはシンプルで、カラダにとって良い菌を摂り入れるということ。
ある実験では、乳酸菌の摂取によってタイトジャンクションが活性化することが示されたので、内側からお肌をケアしたいという方は、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
グリセリンはニキビの原因?
グリセリン。化粧水や美容液の成分のとてもメジャーな成分で、お肌に潤いを与えてくれます。
ただこのグリセリン、ニキビの原因とされるアクネ菌の大好物だということをご存知でしょうか?
アクネ菌は普段はお肌に潤いをもたらしてくれる必要不可欠な菌なのですが、増えすぎると悪さをしてしまうことがわかっています。
そして、そのアクネ菌の増殖を引き起こしてしまうのがグリセリンです。多くの化粧品に含まれていて定番成分ではあるのですが、実はニキビにお悩みの方は注意をしたい成分のひとつなのです。
もちろん、グリセリンは保湿成分に優れるため乾燥肌の方はグリセリン入りの化粧品を積極的に使っていただいて構いません。
美肌菌が活発になる弱酸性を選ぶ
肌を綺麗にする上で欠かせない表皮ブドウ球菌。
「美肌菌」とも呼ばれるこの菌が肌に常在することで皮膚が弱酸性に保たれ、美しく強い肌が作られます。しかし、過剰な洗顔や化粧品の使用で、この美肌菌も洗い流してしまう事もあるのです。
もともと美肌菌たちは汗や脂肪を食べ、脂肪酸やグリセリンを自ら排出する機能を持っているのですが、洗顔のしすぎで菌の量を減らしてしまうと、うまく機能しなくなります。
逆に美肌菌から皮脂やグリセリンが、バランス良くに排出されているにも関わらず、さらに上からグリセリンを乗せてしまっている場合でも、肌荒れの原因になるのです。
そこで、界面活性剤を使うなら米ぬかなどの天然の物がおすすめです。しっかりと汚れを落しつつ、抗炎症抗酸化を入れることで刺激の少ない綺麗な肌へと近づくことができます。
丁寧な洗顔や成分を考えたスキンケアなど、肌へ様々なアプローチがある中、
自分の肌が「アルカリ性」なのか「酸性」なのか…チェックしたことはあるでしょうか?
実は肌のpH値を調べることができる商品などもあり、最近では自分で肌の性質を確認することができます。
一体、数値はどれくらいが正常なのか?増殖しやすい数値はどれくらいなのか?気になる部分を具体的な数字と共に、お伝えします。
菌が増殖しやすいpH
pH値6あたりが、一番菌が増殖しやすい数値です。
ニキビの大敵であるアクネ菌。一番増殖するのがpH値6~7の間だと言われています。
正常な肌の数値
pH値6以下は弱酸性に値し、正常な肌であると言えます。
綺麗な肌を保つためにも、美肌菌が活発に活動することができる、弱酸性に近い洗顔フォームがおすすめです。
このように数値の差で、菌の増殖しやすさ、美肌の作りやすさまで全く変わってきます。できるだけ肌環境を弱酸性に近づけ、アルカリ性によらせるスキンケアを控えたりしていくことで、整った肌を作ることができるのです。
クレイ(泥)の汚れを落とす仕組み
与えるスキンケアだけでなく、もうひとつ重要になってくるのが落とすケア。
できる限り控えた方がいいとされる界面活性剤。しかし、洗顔には構造上どうしても入ってしまいます。どれではこの場合、一体何で洗顔したらいいのでしょうか?
実はそんな中に役立つのが…イオン交換により汚れを落とすことができる「クレイ」です。クレイには毛穴に入り込んでいる汚れや、余分な皮脂を取り除く働きがあり、さらにミネラルも豊富に含んでいます。
クレイ洗顔であれば、肌への刺激をできる限り減らすことが可能で、肌にとって悪影響も少なく、しっかり潤いのある肌へと導くことができます。
クレイにはホワイトクレイ、レッドクレイ…たくさん種類がありますが、大切なのはミネラルの成分。乾燥させず、抗炎症もあるため、自分にあった洗顔が分からない!という方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
抗炎症成分で肌を守る
クレイ洗顔や弱酸性の化粧品を使うなど、美肌になれる要素はたくさんあります。しかしその中でも、抗炎症成分がある洗顔を使うこと。これも綺麗な肌作りにはかなり重要です。
今の時期、毛穴の開きが気になる人も多いと思います。そして角栓ができやすいのも、両方炎症や酸化が問題です。角質が肥厚、分厚くなるすることによって、毛穴の開きに繋がります。
最近肌の調子がよくないなぁと思う方、ぜひ一度ご自身の使ってる化粧品にこのような抗炎症成分が入ってるか、ご確認してみてください。
抗炎症成分一覧
グリチルリチン酸ジカリウム グリチルリチン酸ステアリル アラントイン アミノカプロン酸 アスコルビルグルコシド アスパラガス茎エキス ウコンエキスetc... |
今回お伝えした、肌の構造からわかる角質層へのケアの重要性。
さらにはタイトジャンクションの活性化によるバリア機能の強化なども。
どの組織も肌を綺麗にする上で、重要な役割を持っているのがわかりました。
洗いすぎないクレイ洗顔によって美肌菌を育てる事も、グリセリンなどの使用を避けてアクネ菌の増殖を防ぐ事も、一つ一つの積み重ねで美しい肌を育てる事ができます。
より綺麗な肌を手に入れるためにも、これからも菌ケアを続けていきましょう。