菌をきちんと編 #031

適切な大豆との付き合い方

 

 

あなたは普段から大豆を使った食品を食べていますか?

 

大豆にはイソフラボンや大豆タンパク質など優れた栄養成分が含まれており、美容にも健康にもさまざまなメリットがあると言われています。

大豆を使った食品は日本では非常に手に入りやすく、古くから日本人にも馴染みが深いものばかり。日本食が海外で健康食として注目されているのも、大豆製品のおかげといって過言ではありません。

 

その一方で、大豆には大豆イソフラボンや反栄養素と呼ばれる成分が入っていると聞いたことはありませんか?大豆は優れたメリットがあることで注目されるだけでなく、摂り方や成分について様々な議論が交わされることも多い食品です。

 

ここで大事なのはむやみに怖がることではなく、正しく理解した上で最大限に健康と美容に大豆を賢く活用できるようになることです。

 

そこで、この記事では大豆に含まれる成分と摂取するメリット、大豆の1日あたりの摂取量、気をつけたい注意点などについてご紹介します。

 

 

目次
  • 大豆が原材料の食品たち
  • 一日の適切な摂取量
  • 大豆製品を避けた方が良い人
  • 乳酸菌と一緒に食べて効果アップ!
  • 反栄養素は心配ない?

 

 

日本人と大豆

 

世界の中でも長寿と言われる日本人ですが、年間における一人当たりの大豆摂取量が世界で最も多く約8.2kgというデータがあります。日本人は古くから納豆、豆腐、油揚げなど、主要なタンパク源を大豆に頼ってきたという歴史があります。

 

しかし、最近では大豆を食べる機会がかなり減ってきてしまっています。食事が海外の影響を受けて欧米化した結果、和食を食べる機会が減り、大豆を食べる量も減っているといいます。

日本では「健康日本21」という目標を掲げていますが、この中では「豆類1日100g以上」と目標値が設定されています。でも、私たちの実態はというと、「国民健康・栄養調査」による平成21年の1日当たり豆類摂取量は59g。

つまり1日あたり40gの豆類の摂取が足りていないのです。

 

大豆を原料とする身近な食品たち

 

では、どうしたら大豆をもっと取り入れられるのでしょうか?大豆を原材料とする食品は数多くあります。何気なく食べている食品にも、大豆が原材料に使われているものが多くあるはずです。

 

例えば、大豆を原材料とする食品には次のようなものがあります。

 

• 煮豆

• 納豆

• 煎り豆

• きな粉

• 味噌

• 豆乳

• 醤油

• 豆腐

• 湯葉

• おから

• 油揚げ

 

このように大豆は様々な姿に形を変えて私たちの食卓に登場します。また、枝豆も実は大豆です。

「これも大豆製品だったの!」と驚いたものもあるかもしれませんね。

日本人と大豆の歴史は非常に長く、日本食の発展において大豆は無くてはならない存在でもありました。

大豆をそのまま食べるだけではなく、茹でたり、発酵させたりして様々な形で食べてるようになり、今の大豆製品があります。これも先人たちの智恵と工夫があったからです。

それほど日本人と深い繋がりのある大豆ですが、近年の研究により様々なメリットがあることが分かってきました。


大豆イソフラボンで美肌を作る

大豆製品の大きなメリットの一つとして、イソフラボンによる美肌効果が挙げられます。イソフラボンとは大豆に含まれるフラボノイドの一種で、女性ホルモンと似た作用を持つ「植物性エストロゲン」とも呼ばれます。

 

女性ホルモン様の作用があなたの肌を美しくする

 

大豆イソフラボンにはエストロゲン様作用による美肌効果があります。

大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持っているため、エストロゲンの作用を補うような効果があると言われています。


そもそも、エストロゲンには肌のコラーゲンやヒアルロン酸といった美肌成分の生成を促す作用があります。つまり、大豆イソフラボンはその不足を補ってくれるのです。

 

また、イソフラボンが体内で作用を発揮する上では、腸内細菌の存在が欠かせません。

 

口から摂取したイソフラボンは腸内に届くと腸内のエクオール産生菌により、エクオルという成分に変換されます。そして、肌に行き届くことでシミやシワの改善効果を発揮してくれるのです。

つまり腸内環境が整っている方が、大豆の恩恵も受けやすいことになります。

 

抗酸化効果でエイジング対策にも

 

さらにイソフラボンには抗酸化作用があり、コラーゲンの酸化を防いでくれる効果もあります。 

紫外線などのストレスにより活性酸素が発生すると、コラーゲンが分解・酸化されて、肌のハリやツヤ、みずみずしさが失われてしまいます。

 

しかし、イソフラボンを摂取することによって抗酸化作用が働くため、活性酸素の働きを防いで酸化・分解を抑えるので、コラーゲンの働きが損なわれずに済みます。

 

年齢による変化が気になる方こそ、大豆製品を積極的に取り入れていきたいですね。

 

大豆の摂取が健康に与えるメリット

 

大豆は美肌だけではなく、体の内側つまり健康にも良い効果をもたらします。ある大豆の健康への効果についてのレビュー論文によれば、次のような効果が示されています。

 

  • 心疾患への効果(心血管イベントの抑制)
  • 乳がんおよび前立腺がんへの効果
  • 更年期における「ほてり」の改善
  • 骨量の維持
  • 腎機能の改善
  • 認知機能の維持
  • 抑うつ症状を緩和
  • コレステロール
  • しわの改善効果

 

など、非常に幅広い効果があることが分かっています。

日本人が長寿国であり続けて来られたのは、タンパク質を肉類ではなく大豆に頼って補ってきたことが理由の一つです。

ついつい動物性食品に偏ってしまいがちですが、もっと大豆を取り入れて本来の日本食を取り入れていくことが健康への近道かもしれません。

 

イソフラボンは摂り過ぎても大丈夫?

 

大豆イソフラボンには優れたメリットがある一方で、その摂取には注意点がいくつかあります。

まず気になるのが、大豆イソフラボンの摂取量の目安ではないでしょうか?

 

2016年に食品安全委員会で適正量の研究・計算が正式に行われた結果、大豆イソフラボンの1日の目安摂取量の上限値は70~75mgと発表されています。

また、特定健康用食品として大豆イソフラボンを摂取する場合は、1日あたり30mgが上限値とされています。

 

ただし、この数値はあくまでも大豆イソフラボンを通常の食事に上乗せして、健康食品や特定保健用食品などで集中的に補給する場合の目安です。

大豆、大豆製品の制限をするものではなく、あくまで目安であり上限を超えたからといって直ちに健康被害に及ぶものでもありません。

 

むしろ、大豆には日本人の食文化における長い歴史があり、適量を日常的な食生活から食べる限りではメリットの方が大きいのです。

 

 

大豆製品を避けた方が良い人

 

ただ、一部の方は大豆イソフラボンの摂取を控えた方が良いケースがあります。それは『妊娠中の人』と『お腹が張りやすい人』です。

 

妊娠中・授乳中は大豆イソフラボンの摂りすぎに注意

 

まず、妊娠中の人がなるべく大豆製品を避けた方がよい理由は、大豆イソフラボンが女性ホルモンに似た働きをするためです。

食品からの摂取はほとんど問題ないといわれていますが、イソフラボン配合のサプリなどから大量に摂取する場合は、ホルモンに影響する可能性があるので注意が必要です。

同じ理由で授乳中の方、また15歳未満の小児も日常的な食生活以外から上乗せして摂取することは控えた方が良いとされています。

 

お腹が張りやすい人は大豆製品を選んで食べると良い

 

また、お腹が張りやすい人は大豆製品も避けたほうが良い場合があります。大豆は高FODMAPといわれる食品群の一つで、腹部の膨満感につながってしまうのです。

FODMAPとは「小腸で消化吸収されず、大腸での発酵性を有する糖質の総称」で、内視鏡などでみても原因が見当たらないのにお腹が張る、下痢、便秘に悩まされるお悩みがあるときの原因として注目されています。

ただ、大豆製品を一括りに良くないとは言えず、納豆や豆乳(大豆から作られているもの)は高FODMAPに含まれますが、味噌や豆腐は低FODMAPでお腹のハリの原因になりにくいとされています。

どれも健康にメリットのある食品ですが、食べると調子が悪いなど体にあっていないと感じる方は一度摂取を控えてみても良いかもしれません。

 


反栄養素は心配ない?

大豆には反栄養素が含まれているという話を聞いたことはありますか?反栄養素とは栄養の吸収を妨げる植物化学物質のことで、大豆にはフィチン酸塩、酵素阻害物質(トリプシンインヒビター)、ゴイドロゲンなどが含まれています。

 

フィチン酸塩はミネラルの吸収をキレート効果によって妨げ、ミネラル不足に陥る可能性があるという説を聞いたことがある方も多いかもしれません。

大豆に含まれるフィチン酸がミネラルの吸収機能を低下させてしまうことは事実です。

ただ、大豆のフィチン酸塩は水に晒したり、加工段階の熱で不活化されるため、大豆をそのまま食べたりしない限りはほとんど影響はありません。

 

そして素晴らしいことに、日本人の先人たちは発酵という技術を生み出して、反栄養素の影響を受けずに大豆を安全に食べてその恩恵を受ける方法を見出しました。

醤油や納豆、味噌などの発酵大豆食品は既に発酵しているので、フィチン酸が少ない状態になっています。

 

それに加えて、毎日大量に大豆ばかりを食べて生活するわけではないので、普段の食事で摂るミネラル量を考慮しても、健康に影響することは少ないと考えられます。

 

豆乳など製品によってはフィチン酸が微量含まれることはありますが、そればかり摂って生活するというわけではないので、人体に与える影響をそれほど恐る必要はないと言って良いでしょう。

 

また、ご家庭で大豆から何か手作りの大豆食品を作ることもあるかもしれません。

その場合は、フィチン酸は非常に水に溶けやすいため、12時間ほど水に浸しておくだけでフィチン酸を大幅に減少させることができます。また、大豆を発酵させることでもフィチン酸を減少させることができます。

 

デメリットを怖がるばかりに大豆を避けてしまうのはとても勿体ないです。

大豆にはイソフラボンや不溶性食物繊維、オリゴ糖など身体にも腸にも良い成分が含まれていて、日本人にとって無くてはならない植物性のタンパク源でもあるのです。

ぜひ、大豆をもっと食生活に取り入れてみてください。

 

 

大豆不足を補うにはどれくらい必要??

 

冒頭で説明した足りない40gを補うには、どのくらいの大豆を食べれば良いのでしょうか?もちろん「豆類として1日100g」が摂取目標なので、全て大豆である必要はありませんが、大豆40gでは次の分量が目安になります。

 

  • 納豆1パック
  • 蒸し豆パック半分
  • 豆腐半丁

 

いかがでしょうか?このくらいの量は無理なく食べられそうではないでしょうか。ぜひ、いつものメニューにあと一品加えるときは、大豆製品を取り入れてみてください。

 

 

大豆を意識的に食生活に取り入れると、大豆イソフラボンを摂取できる、食物繊維の摂取量が増える、無理なく動物性食品の摂取を減らすことができる、など良いことづくめです。

大豆を使った食品は日本のどこでも、どこのスーパーでも手に入るので、何も難しいこともなく取り入れられるという手軽さも魅力です。

ぜひ、毎日の食事に必ず一品は大豆を取り入れてみることから、はじめてみてくださいね。

 

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