菌をきちんと編 #009

「痩せ菌」の正体とダイエットとの繋がりについて

 

 

ダイエットというと、ただ体重を減らすことに目が行きがちですよね。

しかしそこでカロリーの摂取量や消費量を気にして極端なカロリー制限をすると、必要な栄養素が不足し、疲労や病気、リバウンドの原因にもなったりします。

 

そこでKINSでは、菌をケアすることでより自然に痩せる方法を皆様にお伝えしています。

こちらの記事では菌ケアとダイエットのメカニズム、気になる「痩せ菌」について、詳しく学んでみましょう。

 

菌ケアでダイエットができるメカニズム

 

ダイエットに菌ケアはなぜ必要なのでしょうか?
実は、腸を正しく整えれば健康的にやせることは決して難しくないのです。


同じエネルギー量を摂取していても太りやすい人、太りにくい人がいますよね。その差はなぜ出るのでしょう。

私たちの腸の中には100兆以上ともいわれる膨大な数の腸内細菌が棲みついています。

 

その中で免疫力を高めるなど身体に有益なはたらきをもつものが「善玉菌」、ビフィズス菌、酪酸菌、乳酸菌などです。有毒なガスを出すなど身体に有害なはたらきをもつものが「悪玉菌」、ウェルシュ菌、フラギリス菌、クロストリジウムなど。


そしてそのどちらにも分類されないものが「日和見菌」と呼ばれ、バクテロイデス、非病原性大腸菌、ユーバクテリウムなど。

 

これらの菌のバランスを菌ケアによって腸内環境を整えることで、悪玉菌の増殖を抑制し、善玉菌と日和見菌を増やして、痩せやすい体になるのです。

 

 

「痩せ菌」とは何のこと?

「痩せ菌」という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。

ダイエットを助けてくれる痩せ菌、そんな菌があるならぜひ取り入れたいですが、果たしてその正体はどんなものなのでしょう。

 

一般的に「痩せ菌」と称されることが多いのは、日和見菌の一種である「バクテロイデス」というグループに属する数種類の菌たち。

 

これはかつてワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らにより行われた研究において、太ったマウスの腸内細菌を痩せたマウスに移植させるというものがあったためです。

この研究では同じエサの量にもかかわらず、腸内細菌を移植したマウスが太ったという結果が出たのです。

その際、太ったマウスの腸内細菌を調べると主に「バクテロイデス」というグループに属する数種類の菌の数が極端に少ないということがわかりました。

そして、これらの細菌を外部から与えてやると、「肥満体質」が治ることも確認できたのです。

 

日本人の腸内細菌にも「痩せ菌」はあるのか?

マウスの実験で検証された「痩せ菌」・「バクテロイデス属」の菌たちですが、実際のところ人間の腸内細菌と肥満との関係にはまだ諸説あり、正確な関連性は示されていません。

 

腸内細菌と肥満との関連性は人種によって異なるなどの説もあり、例えば日本人の腸内細菌でもバクテロイデスが多いことで「痩せ体質」につながるのか?といったことは100%明確ではないようです。

 

ただある研究では、日本人を対象に23人の非肥満被験者と33人の腸内細菌叢を比較しています。(※1)

その結果、肥満被験者の腸内細菌叢ではバクテロイデス属の割合が少なく、そのことからやはり人間の腸内細菌バランスが肥満に関連していると結論づけられました。

 

その他には「アッカーマンシアムシニフィラ菌」なども、最近「痩せ菌」として注目されるようになった菌のひとつ。

ある研究では健康的な代謝状態の女性の腸内細菌叢に、アッカーマンシアムシニフィラ菌が豊富であったということがわかっています。(※2)

 

善玉菌が作り出す「痩せ物質」の「短鎖脂肪酸」

 肥満と腸内細菌叢の関係についてはまだ世界中で研究が続けられていますが、「バクテロイデス」だけでなく注目したいのが「短鎖脂肪酸」。

酪酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌が食物繊維などをエサにして産出するものが「短鎖脂肪酸」と言われています。

実は、この「短鎖脂肪酸」がダイエットのキーポイントなのです。

 

「短鎖脂肪酸」は菌そのものではなく、「菌の生み出す成分」。

善玉菌が腸内で作り出してくれるこの成分も、実はダイエットと深く関わっているので無視できません。

 

短鎖脂肪酸ってなに?どう作用するの?

 

短鎖脂肪酸は、ビフィズス菌や酪酸菌などの善玉菌やバクテロイデスなどの日和見菌が食物繊維やオリゴ糖をエサとして分解し発酵することによってつくられます。

 

短鎖脂肪酸には「酢酸」「酪酸」「プロピオン酸」などの種類があります。


酢酸はお酢などの食品にも含まれていますが、胃で消化されてしまいますのでお酢を飲んだらいいというわけではありません。

また大量にお酢を飲むのも健康を害するのでお勧めできません。

 

短鎖脂肪酸の役割は様々ありますが、ダイエットに関連するところでは「交感神経などの神経細胞と結合して神経や脳を活性化させエネルギー消費を高めること」がわかっています。

 

これにより、脂肪の蓄積を防ぎ代謝を上げて痩せやすい体質へ導く効果が期待できます。また、この短鎖脂肪酸を作り出す機能を介して、食欲をも制御しているかもしれないと言われています。

 

 

短鎖脂肪酸を増やす腸内環境にするためには

短鎖脂肪酸を効率よく増やすために菌が活性しやすい腸内環境を整え、発酵食品を積極的に摂って=「菌を入れる」そのエサの補給として食物繊維を摂り=「菌を育てること」を心掛け自分でつくり出すのが一番です。

まずは、注意点です。
マイナスアクセルになることをしないようにしたいですね。

 

 

食品添加物の摂取を控えること

腸内細菌は食品添加物が苦手です。多く摂りすぎると腸内細菌のバランスが乱れる可能性があります。

 

特に、乳化剤は腸内で炎症を起こす可能性がありますし、保存料は腸内細菌を減らしてしまう可能性があるので、一部コンビニ食やファーストフード店などで添加物が入ってる食事は減らすことができるとベストです。

 

 

お酒のアルコール分の大量摂取は控えること

アルコールは腸管を刺激するので大量摂取はあまり良くないです。個人差はありますが、1~2杯までなら大丈夫だと思います。


軽い晩酌程度であれば、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒、ぶどうを発酵させたワインやシャンパン、お米を発酵してつくった日本酒、韓国の発酵酒マッコリなどがお勧めです。

 

間食をしないこと

人間の腸は、眠っている間や何も食べていないときに、ぜん動運動をしています。お掃除運動は、何か食べると止まり、ぜん動運動に戻ってしまいます。

 

ちゃんと空腹の時間を作り、間食をせず、夕飯後は10数時間固形物は食べずに休ませるのが理想とも言われています。(⬅︎腸活アドバイザーの教科書より)

 

 

菌ケアダイエットの理想の食事とは

食事に置いて、食べ合わせも大事なポイントです。

プロバイオティクスと、プレバイオティクスを合わせて摂るとより良いです。プロバイオティクスとは、体によい影響を与える細菌=ビフィズス菌や乳酸菌などを含む、発酵食品です。

 

プレバイオティクスとは、タマネギ、ブロッコリー、海藻類やイモ類など腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食材です。

 


発酵食品

発酵食品の代表的なものには、味噌、納豆、ぬか漬け、キムチ、チーズ、醤油や酢、塩麹、甘酒などがあります。良い菌を取り入れることで善玉菌の加勢を優位にします。

 

 

食物繊維

水溶性食物繊維は、豆類、大麦やライ麦の麦類、ゴボウ、かぼちゃなど根菜類や芋類、昆布やワカメ、ヒジキなどの海藻類、熟した果物などがあります。水溶性食物繊維を効率よく取り入れるためには、調理の下処理のとき水にさらす時間はなるべく抑え、栄養素の流出を防ぐのが理想です。


不溶性食物繊維は、大豆、ごぼう、小麦ふすま、穀類、豆類、きのこ、葉物の野菜などに多く含まれる。こちらは短鎖脂肪酸を出すわけではありませんが、腸の本来の働きを助けてくれます。



食物繊維は胃の中で腹持ちがよくゆっくり消化されるので、食べ過ぎ防止になります。水溶性食物繊維はネバネバしているので、小腸では糖質や脂質の過剰な吸収を防いでくれます。大腸では、善玉菌や日和見菌がエサになります。

 

 

糖アルコールとオリゴ糖

どちらも善玉菌のエサとなる物質です。
糖アルコールは、イチゴ、キノコ、りんご、梨に豊富です。

 

オリゴ糖は大豆やアスパラガス、ごぼう、玉ねぎといった食品に多く含まれているので、これらの食材を積極的にとりたいですね。

 

 

レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)

糖も善玉菌や日和見菌の大切なエサになります。
通常糖類は小腸で吸収されます。レジスタントスターチは不溶性なので、腸の奥のほうまで届きます。腸の奥のほうには、ビフィズス菌など大切な菌がたくさんいます。


でんぷん=糖質でありながら、消化されずに、奥まで届き、まるで食物繊維のように腸内細菌に食べてもらえるのです。


レジスタントスターチは、インゲン豆などの豆類やイモ類、コーンフレークなどシリアルに多く含まれます。米やもち麦にも含まれていますが、「冷えたご飯」のほうがより多くのレジスタントスターチをとることができます。


例えば白米なら、炊きたてよりもさめた状態のお弁当やおにぎり、すしなどがおすすめです。


冷えることにより、でんぷんの分子が結合して固まるからです。レジスタントスターチは血糖の上昇を抑える働きもあります。インスリンの分泌がゆるやかになり、脂肪がつきにくくなります。

 

菌ケア的ダイエットレシピ集

 

【主食】

玄米、ライ麦や全粒粉パン、干し蕎麦などがおすすめです。
白米がお好きな場合は、雑穀米やもち麦などを加えて炊くのといいですね。


玄米は、『ガンマ・オリザノール』というコメ由来の脂分を含みます。ガンマ・オリザノールは高脂肪食への欲求を減らす効果があることがわかっています。玄米を食べていると、食の好みがいつの間にかやせ嗜好になるといわれています。


【常備菜】

・らっきょう甘酢漬け

市販のものでも大丈夫です。

作り方

1.らっきょうは5月ごろから初夏までが旬です。
らっきょう200gを皮を剥いて、先端と根を切り落としよく洗い、軽く塩揉みをし、ザルにあげて、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。水分が残っていると、漬けて保存する際、漬け汁が薄まり、保存時にカビが発生するなどの危険があります。

 

2.酢100ml、きび砂糖大さじ3 ハチミツ大さじ1
塩少々 を混ぜて鍋で一煮立ちさせる。

 

3.ラッキョウを漬ける
3日後から食べられます。

 

・酢キャベツ

作り方

1. キャベツ1/2玉(450g)を千切りにします。

 

2. 切ったキャベツをポリ袋に入れ、塩小さじ2杯をまぶして揉み込みます。

 

3. 2にお酢を200cc加え、冷蔵庫で半日からひと晩ほど漬け込んだら完成。
お好みで塩昆布や唐辛子を入れてもOK。
酢キャベツは完成したら密閉袋に入れ、冷蔵庫保存で2週間ほどは保存がききます。

 

酢キャベツのカロリーは、100gで32kcalです。キャベツは水溶性より不溶性食物繊維が豊富に含まれます。キャベツには免疫力を高め、活性酸素を抑える働きもあります。食事に1日1回、100g(小皿に山盛り程度)の酢キャベツを加えて見てください。

 

他の野菜を切って和えて、ごまやオイルを足してサラダにもなりますよ。

 

・酢玉ねぎ

作り方

1.玉ねぎ2個を薄~くスライス。

 

2.酢1カップを強火で沸かし、玉ねぎを加えてひと煮立ちさせる。

 

3.火を止めて、はちみつ大さじ4を混ぜる。
はちみつで、すっぱさが緩和されてまろやかになるので酢の物が苦手な方でも大丈夫。

 

他にも冷たいお酢のまま漬けこむ作り方もありますが、この場合は食べられるまでに5日間くらい漬けこんでおかないとなりません。いずれも冷蔵庫保存で2週間は保存ができます。

 

玉ねぎは、オリゴ糖たっぷりです。豆腐や海藻類にのせたり、ドレッシングとして野菜とあえたり、焼いた肉にのせたりいろんな料理に合うので重宝します。

 

・冷凍きのこ

保存の仕方

1.お気に入りのきのこを食べやすい大きさに切って保存袋に入れ、

 

2.冷凍します。

 

味噌汁に入れたり、炒め物に入れたり、きのこだけでニンニクとオリーブオイルでソテーするのも美味しいです。

 

きのこは水溶性と不溶性の食物繊維を豊富に含んでいるため、必要な栄養素はしっかり吸収し、不要なものは排出してくれます。また、冷凍することで旨み成分もアップするので、手軽に取り入れることができるのです。

 


【サラダ】

大麦とひじきサラダ
きゅうり 1本
セロリ 1/2本
アボカド 1/2個
生ひじき 1パック
カニかま 1パック
蒸したスーパー大麦(そのまま使えるものがカルディに売ってます) 100g
レモン 少量
ピーマン 2個

 

作り方

1きゅうり、ピーマン、アボカド、セロリ、カニかまを全て1センチ角くらいの大きさに切る

 

2レモンはスライサーで薄くスライスする

 

3生ひじきは沸騰したお湯でサッと茹で、ザルで水を切っておく

41と2と3と蒸しスーパー大麦(バーリーマックス)をボールに入れ、全ての食材をよく混ぜる

 

5お皿に盛り、お好みのドレッシング等をかけたら完成。
 


参考文献:

(※1) Comparison of the gut microbiota composition between obese and non-obese individuals in a Japanese population, as analyzed by terminal restriction fragment length polymorphism and next-generation sequencing,2015

(※2)Maria Carlota Dao, Akkermansia muciniphila and improved metabolic health during a dietary intervention in obesity: relationship with gut microbiome richness and ecology, Gut. 2016 Mar;65(3):426-36.

Gary Frost,The short-chain fatty acid acetate reduces appetite via a central homeostatic mechanism, nature,2014

原博,プレバイオティクスから大腸で産生される短鎖脂肪酸の生理効果,腸内細菌学雑誌,2002

 

坂田隆,短鎖脂肪酸の生理活性,日本油化学会誌第46巻第10号,1997

 

三好真琴,腸内細菌と脂質代謝,特集:脂質研究の最新の話題,2013


奥村龍,腸管上皮細胞と腸内細菌との相互作用,ライフサイエンス 領域融合レビュー,2016

 


木村 郁夫,生理活性代謝産物、短鎖脂肪酸による交感神経系を介した生体内代謝制御機構の解明,KAKEN,2011



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