菌をきちんと編 #024

髪・頭皮のケア方法とシャンプーの選び方

 



頭皮や髪のトラブルとしては白髪や薄毛、枝毛や傷みなど、さまざまなお悩みがありますよね。年齢を重ねるにつれて頭皮や毛髪のトラブルのことが気になってきた方も多いのではないでしょうか?とくに白髪や薄毛は遺伝や体質が原因だからと諦めている方も少なくないはずです。


でも実は、何気なく使っているシャンプーやトリートメントが、頭皮や髪のトラブルの原因になっていることも多いのです。シャンプーの界面活性剤や防腐剤が、頭皮に住んでいる菌にダメージを与えてしまうからです。

 

そして、白髪や薄毛と頭皮に住んでいる菌にも意外な関係があります。頭皮の菌をケアすることを意識することでお悩みが改善する可能性も十分にあります。


そこで今回や白髪や薄毛と菌の関係、頭皮に住み着く悪い菌を増やす習慣、KIN流シャンプー選びのポイント、腸内環境の関係について詳しくお話していきます。

 

目次
  • 白髪や薄毛の原因にも、頭皮にすむ「菌」たち
  • コリネバクテリウムが白髪や薄毛を引き起こす
  • コリネバクテリウムを増やしてしまう習慣
  • KINS流!シャンプー選びのポイント
  • 髪に潤いを与える成分「ビオチン」



白髪や薄毛の原因にも、頭皮にすむ「菌」たち

白髪や薄毛には加齢、遺伝的要因、栄養状態、ストレスなど、さまざまな要因が関係します。大半の人が加齢と遺伝の問題だからと諦めてしまいがちです。


それが最近では、白髪や薄毛の要因は遺伝や加齢だけではなく、じつは「菌」も関係していることが研究により明らかになってきています。


頭皮には多くの菌が住みついていて、頭皮や髪の毛の健康を守る大事な役目を果たしてくれているというのです。

 

 

頭皮にすむ菌とは?

頭皮に住んでいる菌というと、かゆみや赤みを引き起こす悪いイメージがあるかもしれません。でも、それは菌の種類によって違います。


皮膚には表皮ブドウ球菌(美肌菌)やアクネ菌といった常在菌がたくさん住んでいます。顔の皮膚にも菌が住んでいるように、頭皮も顔と皮膚が繋がっているので同じように菌が住んでいます。


とくに代表的な常在菌である表皮ブドウ球菌やアクネ菌は、皮脂や汗をエサにして分解し、脂肪酸を生成します。この脂肪酸のはたらきで皮膚表面は弱酸性に保たれ、十分なバリア能力が発揮できるようになります。

 

弱酸性に保たれていることで、悪い菌(黄色ブドウ球菌など)の繁殖を防ぐこともできます。

 

 

頭皮の菌が増えすぎると?

しかし、菌が増えすぎたり、バランスが崩れたり、本来良い菌であっても悪さをするようになることが問題です。


例えば、菌の生成物に含まれるオレイン酸が過剰になると炎症や赤みを引き起こします。また、「イソ吉草酸」などの物質が発生して悪臭の原因にもなります。


また、頭皮の環境が悪化すると菌のバランスに歪みが生じて、黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌などの悪い菌が増殖してしまい、皮膚疾患の原因となることもあります。



コリネバクテリウムが白髪や薄毛を引き起こす

悪い菌にもさまざまな種類がいますが、とくに注目したいのがコリネバクテリウムという菌です。コリネバクテリウムは、皮膚トラブルだけでなく白髪や薄毛を引き起こすことが分かっています。



コリネバクテリウムはもともと皮膚や口腔内などに住んでいる菌で、菌のバランスが取れているときには皮脂を食べてpHを弱酸性に保つはたらきがあります。しかし、異常増殖すると悪い顔つきに変わり、皮膚に炎症を引き起こします。


さらに生成されるイソ吉草酸はイヤな臭いのもとにもなります。例えば、体臭、足の臭い、頭皮の臭いなどの原因はコリネバクテリウムということも多いのです。



そして、このコリネバクテリウム、実は白髪や薄毛の原因になることが最近の研究によって明らかになりました。


2018年東大発ベンチャーのTAK-Circulator株式会社の研究で、女性の白髪と薄毛の方はコリネバクテリウムが異常増殖していることが判明したのです。


さらに、株式会社ミルボンの研究では頭皮の赤み・炎症が白髪や細毛の原因になっていることも明らかになっています。つまり、コリネバクテリウムが増えると炎症が生じ、さらに白髪や薄毛を引き起こすということです。


つまり、コリネバクテリウム は「白髪」「薄毛」「体臭」「炎症」といった、多くの方が抱える厄介なお悩みに関わっている菌なのです。

 

 

コリネバクテリウムを増やしてしまう習慣

では、どうしたら白髪や薄毛の原因菌であるコリネバクテリウムの異常増殖が起きてしまうのでしょうか?次によくある原因を3つご紹介します。



シャンプーのすすぎ残し

シャンプーを使って髪の毛を洗うとき、気をつけたいのがすすぎ残しです。すすぎ残しがあると毛穴を詰まらせて雑菌が繁殖しやすくなります。臭いやかゆみだけでなく、雑菌の増殖は炎症を引き起こすため、十分に時間をかけて洗い流すことが大切です。


また、シャンプーの洗い方も大切です。髪の毛だけでなく、頭皮を洗うイメージで洗うことが上手なシャンプーのコツです。爪を立てて傷をつけないよう、指の腹でよくもみ洗いしましょう。また、シャンプーの前にお湯でしっかりと予洗いしておくこともポイントです。


なお、トリートメント剤にはシャンプー剤に含まれる陰イオン界面活性剤を電気的に中和させ、シャンプーによりアルカリに傾いた状態を酸性に戻すためにも、陽イオン界面活性剤(カチオン系)がよく使われています。


しっとりと仕上げる効果があり、髪の毛の絡まりを防ぐなどのメリットもありますが、地肌につけると頭皮の刺激になることがあるため気をつけたい成分です。トリートメント剤は頭皮になるべく付けないように気をつけましょう。

 

 

強い合成界面活性剤

髪の毛についた汚れや頭皮の皮脂汚れなどを落とすために、シャンプーには基本的に合成界面活性剤が使われています。


界面活性剤とは水と油をなじませる作用があるもので、汚れを浮かして流すためには欠かせない存在です。ただ、界面活性剤の種類や使い方によっては、必要な皮脂まで洗い流してしまい、地肌の乾燥やトラブルの原因となることがあるので要注意です。


とくに気をつけたいのが、ラウリル硫酸Na, ラウレス硫酸Na, オレフィンスルホン酸Na などのような洗浄力の強い合成界面活性剤です。

 

最近の日本ではあまり使われなくなってきていますがラウリル硫酸Naは洗浄力がとても強いことで有名です。

 

また、ラウリル硫酸の残留性などの悪い性質を改良したのがラウレス硫酸Naで、シャンプー成分として非常によく使われています。やはり洗浄力は強めであるため頭皮に負担がかかりやすくなります。



髪を濡れたまま放置する

髪の毛を洗った後に乾かすのが面倒で、しばらく濡れたまま放置することはありませんか?髪の毛を濡れたまま放置したり、汗でムレた状態が長時間続いたりすると、雑菌が増えやすくなってしまいます。


さらに、濡れた髪の毛はキューティクルが開いた状態になっているため、摩擦によって髪の毛が傷んでしまう原因にもなります。


タオルで十分に乾かしたら、なるべく速やかにドライヤーで根本まで乾かすようにしましょう。毛先よりも根本の方を早めに乾かしてあげるとクセもつきにくくなり、スタイリングも楽になります。

 

 

KINS流!シャンプー選びのポイント

では、シャンプーはどう選ぶのが正解なのでしょう?ドラッグストアに行くと非常に多くの種類のシャンプーが並んでいて迷ってしまいますよね。


ノンシリコン、オーガニックなどの流行もありますが、KINSでは少し視点を変えて菌ケアに良いシャンプーの選び方をご紹介します。

 

 

①肌のpHと近い弱酸性のものを選ぶ

まずは、弱酸性であることです。シャンプーはアルカリ性に傾いているものが多いですが、健康な頭皮はもともと弱酸性です。弱酸性の地肌をアルカリ性のシャンプーで洗ってしまうと、皮膚には少なからず刺激となってしまいます。


健康な皮膚は速やかに弱酸性に戻るような性質が備わっていますが、頭皮が荒れていたり、菌のバランスが乱れているとアルカリ性から戻りにくくなります。

 

頭皮の状態がアルカリ性になると悪い菌が繁殖しやすくなるため、なるべくシャンプーは弱酸性のものを選ぶようにしましょう。


では、どんなタイプが弱酸性か?というと、それは界面活性剤の種類によって変わります。次の界面活性剤を中心としたシャンプーを選ぶのがおすすめです。



  • アミノ酸系

いわゆる弱酸性シャンプーの代表的な成分です。皮膚にも存在するアミノ酸を構造に含んでいて、低刺激な成分です。弱酸性で安定に作用を発揮するため、弱酸性シャンプーによく使われています。ただし、洗浄力がマイルドなため、十分に時間をかけて丁寧に洗うことがポイントです。



ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na など



  • カルボン酸系

アミノ酸系と比べて洗浄力が強めですが、さっぱりとした洗い心地で肌への刺激は弱めです。肌が弱い方、アトピー肌、乾燥肌、敏感肌の方にも適しています。カルボン酸系シャンプーでも他の成分との割合でアルカリに傾いていることもあるため、製品ラベルの先頭に書かれているかを確認しましょう。


ラウレス-◯カルボン酸Na、ラウレス-◯酢酸Na 


※◯には数字が入り、数字が大きいほど洗浄力が高まります。



  • ベタイン系

植物由来系シャンプーに良く使われる両性イオン界面活性剤です。弱酸性で安定であり、低刺激であるためアミノ酸系と同じような性質を持っています。ベビーシャンプーにも使われ、しっとりとした仕上がりの良さが特徴です。


コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン など


ただ、これらの成分が入っているだけでは弱酸性シャンプーとは限らないため、少し注意が必要です。アミノ酸系成分配合と書かれていても、他に石けん成分などがは入っているとアルカリ側に傾いている可能性もあります。


もし、シャンプーが弱酸性かわからない場合は、製品ラベルで上であげた界面活性剤が水に次いで先頭に書かれているか、アミノ酸系界面活性剤が複数入っているかどうかなどを指標に選ぶと良いでしょう。



②日常的な汚れは洗浄力がマイルドなシャンプーで十分

強い界面活性剤を使用しなくても、丁寧に洗うことで日常的につくレベルの汚れであればマイルドなシャンプーで十分に洗い流せます。とくに頭皮の乾燥によるかゆみ、炎症で悩んでいる方は、洗浄力がマイルドなタイプに切り替えてみると良いでしょう。


さらに、顔やからだの乾燥や肌トラブルも、シャンプーの界面活性剤が原因になっている方が意外と多いのです。色々と試しても改善されない場合は、シャンプーも見直してみると良いかもしれません。


頭皮の皮脂分泌が多いという場合は、シャンプーで皮脂を取り過ぎていることが原因に考えられます。乾燥を補うために皮脂分泌を促されてしまうためです。

 

そのため、皮脂が多いからといって強い洗浄力のシャンプーに頼ってしまうのはあまり良くありません。


ただし、例えばスポーツやアウトドアなどで汗をかいた時や、落ちにくいスタイリング剤を使っている場合などは、洗浄力が弱すぎると洗いきれないこともあります。ご自身の頭皮の汚れとライフスタイルに合わせて適切な洗浄力のシャンプーを取り入れていきましょう。

 

 

③防腐剤「パラベン系」に気をつける

シャンプーで気をつけたい成分に防腐剤があります。シャンプーは6割から8割が水分でできているため、防腐剤を使うことで腐敗を防いでいます。そのため、防腐剤により雑菌の繁殖を防ぎ、安全に長期使用できるという点ではメリットもあります。


ただし、防腐剤の中でもパラベン系はとくに殺菌力が強いため注意が必要です。ある文献によると、アクネ菌と美肌菌である表皮ブドウ球菌に対してパラベン系は殺菌力が強いと報告されています。

 

また、同じ文献で比較的影響が少ないのはフェノキシエタノールであることが示されています。(参考文献:1) 


別の論文ではパラベンミックスは、アトピー肌に対して悪さをする菌である黄色ブドウ球菌よりも有用な菌であるRoseomonas mucosaの方をより強力に殺してしまうことが報告されています。(参考文献2)パラベンに対して反応しやすい方以外も注意した方が良いでしょう。



髪に潤いを与える成分「ビオチン」

頭皮ケアが大事なことはもちろんですが、シャンプー選びにおいては髪の毛への効果も譲れないポイントではないでしょうか?


髪の毛の健康と美しさを考えたときに欠かせないのが「ビオチン」という栄養素です。ビオチンはビタミンB群の1種であり、皮膚や粘膜、そして毛髪の健康に欠かせない成分です。


ビオチンは補酵素として髪の毛の原料となるアミノ酸やコラーゲンの産生を助けます。また、ビオチン不足は白髪の原因にもなるため、白髪予防にも欠かせません。


このビオチンを補う方法としては、まず食事です。豆類やほうれん草などの野菜、魚介類やレバーなどに多く含まれています。また、ビオチン配合のシャンプーから取り入れることもできます。


そして、ビオチンは腸内環境でビフィズス菌が作り出してくれる成分でもあります。ビオチンを産生するビフィズス菌が活発に働けるようにするためにも、日頃から腸内環境を整えておくことが大切なのです。

 

発酵食品、海藻類や野菜などを取り入れながら、内側からもケアを行っていきましょう。


参考文献1:WangQ, JCosmetDermatol 2019, Apr;18(2):652-658

参考文献2: Ian A. Myles, JCI Insight 2018, May;3(9)



髪の毛と頭皮のため、どんなシャンプーを選べば良いのかについてご説明しました。いかがでしたか?ご自身がお使いになっているシャンプーは本当に大丈夫かと心配になった方も多いのではないかと思います。ぜひこの機会にシャンプーを見直してみてください。


また、とくに悩みがないという場合にも、良い状態をキープできるように地肌をいたわるシャンプーを使うように心がけてみてください。


この先ずっと健康な頭皮と髪の毛でいられるよう、ご自身にぴったりのシャンプーを見つけてみてくださいね。

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