菌をきちんと編 #041

繰り返す下痢・便秘は『過敏性腸症候群』が原因かも

 

「大事な場面でお腹が痛くなり、トイレに行きたくなる」

「下痢と便秘を繰り返して、お腹の状態が安定しない」

そんな悩みを抱えている人は、意外と多いのではないでしょうか?

実は、この原因は「過敏性腸症候群」という疾患かもしれません。


過敏性腸症候群はストレスを抱えている人に起こりやすく、20代の若い世代にも多くみられます。頻繁にトイレに駆け込むあまり、日常生活に支障をきたす人も少なくありません。


過敏性腸症候群を治すにはどうすればよいのでしょうか?

この記事では、はじめに症状チェックを行い、病院による治療や自宅で行えるケアについて解説します。ㅤㅤ

 

目次
  • まずは症状をチェック
  • 過敏性腸症候群の原因と4つのタイプ
  • 病院による過敏性腸症候群の治療
  • まずは食事で腸内環境の見直しから

 

 

まずは症状をチェック

過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome: IBS)とは、腹痛や下痢・便秘といったお腹にまつわる症状が長期的に続く病気です。1か月近くこうしたお腹の症状に悩んでいる場合は、過敏性腸症候群の疑いがあります。

 

過敏性腸症候群の診断基準

医療現場では、過敏性腸症候群の診断基準として国際的に使われている「ローマⅢ基準」を用います。(現在は新しく発表された「ローマIV基準」と併せて診断する傾向にあるようです)


ローマⅢ基準は下記の質問からなります。あなたは当てはまりますか?さっそくチェックしてみましょう。


・直近の3か月間を振り返ったとき、3日以上にわたって腹痛やお腹の不快感が持続したことがある


・あるいは下記の3項目のうち2つに当てはまる
1)便を出すと、お腹の症状が治まる
2)お腹の症状によって排便の回数が増えたり減ったりする
3)便が柔らかくなった、硬くなったといった変化があるㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
生活シーンから症状をチェック

 

 

生活シーンから症状をチェック

より具体的な生活シーンから症状をチェックしてみましょう。該当する項目が多いほど、過敏性腸症候群の疑いが強くなります。ㅤ

・通勤電車の中で急に便意に襲われることがたびたびある
・会議中や商談中といった緊張する場面でつらい腹痛が起こりやすい
・便秘気味で、固くてコロコロした便が少量しか出ない
・便秘と下痢のどちらも頻繁に起こる
・お腹がガスでパンパンになることが多い
・リラックスしている状態(自宅など)ではお腹の症状は出ない
・トイレに行けないと思うほど、お腹の症状が出てトイレに行きたくなるㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
いかがでしたか?


過敏性腸症候群の症状は、「下痢型」「便秘型」「混合型」そして「分類不能型」の4つに分けられます。
過敏性腸症候群の疑いがある人は、自分はどのタイプに当てはまるのか、次の章でチェックしてみましょう。

 

 

過敏性腸症候群の原因と4つのタイプ

実のところ、過敏性腸症候群の原因は未だに分かっていません。

しかし、ストレスの影響で腸の動きが活発になると過敏性腸症候群の症状が出やすいことから、ストレスは何らかの関連性があると考えられています。


また、冬に流行するノロウイルスなどの感染症にかかって腸が弱った後にも過敏性腸症候群の症状が出やすいとされているので注意が必要です。

 

下痢型

実のところ、過敏性腸症候群の原因は未だに分かっていません。

しかし、ストレスの影響で腸の動きが活発になると過敏性腸症候群の症状が出やすいことから、ストレスは何らかの関連性があると考えられています。


また、冬に流行するノロウイルスなどの感染症にかかって腸が弱った後にも過敏性腸症候群の症状が出やすいとされているので注意が必要です。

 

 

便秘型

便秘型の過敏性腸症候群は、慢性的な便秘に悩まされるのが特徴です。ときどき便意を感じてトイレに行っても、便は固く、ウサギのふんのようなコロコロとした便しか出ません。


排便後も残便感があり、不快感も伴います。また便秘でお腹がパンパンになり、腹痛を感じる人も少なくありません。便秘型は、男性よりも女性に起こりやすい傾向です。


便秘型の過敏性腸症候群は、腸のぜん動運動が十分に行われないために起こります。ぜん動運動によって便は直腸まで運ばれるので、これがなければ便は腸内に留まったままになるのです。
さらに、便は腸内に留まり続けると水分が減っていくため固くなり、より排泄が難しくなります。

 

 

混合型

混合型の過敏性腸症候群は、下痢型と便秘型の症状を繰り返すのが特徴です。

人によっては吐き気や嘔吐、ガスによる腹部膨満感、おならがよく出るといった症状が出ることもあります。

 

 

分類不能型

下痢型・便秘型・混合型、この3つのいずれにも当てはまらない場合は、分類不能型と診断されます。

 

 

病院による過敏性腸症候群の治療

過敏性腸症候群は日常生活に支障をきたすこともある悩ましい病気ですが、命にかかわる心配はありません。


しかし、腸の病気の中には命にかかわる重いものもあります。過敏性腸症候群の疑いがある場合は、病院へ行き、医師の診断を受けるのが賢明です。

 

 

過敏性腸症候群は何科の病院に行けば良いか

過敏性腸症候群の疑いがある場合は、消化器内科を受診しましょう。

ストレスなどメンタル面のケアも必要な場合は、心療内科を紹介される場合もあります。


また数は少ないですが、一部には過敏性腸症候群(IBS)外来もあります。これらの診療科がない場合は、まずはお近くの内科を受診してみましょう。


そして先述の通り、過敏性腸症候群は原因がはっきりしていないため、診断を確定するためには、まずほかの病気の疑いはないかを検査します。


代表的なのは炎症による腸疾患などを調べる大腸内視鏡検査です。ほかにも症状によっては便や血液の検査をすることがあります。

そしてほかの病気の疑いが否定され、なおかつ診断基準に当てはまる場合は過敏性腸症候群と診断されるのです。

 

 

過敏性腸症候群の治療

過敏性腸症候群の治療では、症状に応じて次のような薬を用いることがあります。


・腸内環境を整える薬
・腸の運動を正常に近づける薬
・便を柔らかくして出しやすくする薬
・下痢を止める薬
・抗不安薬
・漢方薬


ただし、過敏性腸症候群の治療では薬で無理に症状を抑えることは推奨されていません。薬で下痢や腹痛を抑えてもそれは一時的な解決にしかならず、ストレスをはじめとした根本的な原因が解決されないためです。


そのため薬の服用は症状に応じてこまかく調整して、必要以上に飲まないようにしています。こういった経緯から、自己判断で市販薬を使うこともおすすめできません。どうしても薬が必要な場合は、医師や薬剤師に必ず相談しましょう。


症状によっては、イリボーという薬が効果を表すこともありますし、抗不安薬がおなかの症状を和らげることもあります。まずは自己判断せずに消化器内科を受診しましょう。

 

まずは食事で腸内環境の見直しから

過敏性腸症候群の治療では根本的な生活習慣の見直しが大切。

そこで特に注目したいのが、食事の見直しです。食事内容が悪いと腸内環境が悪化して、過敏性腸症候群の症状が出やすくなります。


腸内フローラのバランスを整える

腸内には3種類の腸内細菌がいます。ただ、一概に3つに分けられるわけではないので便宜的な分類です。


1)善玉菌:腸の動きを正常に保ち、お腹の状態を整える(ビフィズス菌など)
2)悪玉菌:有害物質を作り、腸内の腐敗や老化の原因となる
3)日和見(ひよりみ)菌:腸内環境によって善玉菌のような働きも、悪玉菌のような働きも、いずれの働きもする菌


これらの腸内細菌によって作られる群れを、「腸内フローラ」といいます。
腸内では日和見菌が最も多いため、善玉菌を増やして味方に付けなければいけません。悪玉菌が増えすぎると下痢や便秘につながるため、過敏性腸症候群が悪化するおそれがあります。


腸内フローラの理想的なバランスは、『善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7』としばしば言われます。過敏性腸症候群を悪化させないためにも善玉菌を増やし、この理想のバランスを目指しましょう。

 


善玉菌を増やす食事とは?

善玉菌を増やして腸内フローラのバランスを整える食事には、3つのポイントがあります。


1)乳酸菌が豊富な発酵食品を積極的に摂る(味噌、キムチなど)
2)悪玉菌を減らす働きがある食物繊維を摂る(きのこ類、海藻類など)
3)善玉菌のエサになるオリゴ糖を活用する


オリゴ糖は納豆やごぼうといった食材に含まれているほか、甘味料としても市販されています。煮物など砂糖を使う料理のときはオリゴ糖を使うと、効率的な摂取が可能です。


ヨーグルトにも乳酸菌は多く含まれているので、プレーンヨーグルトにオリゴ糖をかけて食べるのもおすすめです。

 


外食やコンビニ食はできるだけ避けよう

過敏性腸症候群を治すためには、食材を吟味しながら自炊するのが理想的です。

外食やコンビニ食などは主食の量が多いため炭水化物を摂り過ぎる傾向にあり、おかずも脂っこいものが多く、腸に負担をかけることがあるためです。


献立は和食中心として品数を多めにしましょう。たくさんの食材を一度に摂取しやすく、バランス良く栄養を補うことができます。

 


腸を刺激する食事は控える

香辛料をたっぷり使った食事などは、腸を刺激するおそれが。過敏性腸症候群の悪化を防ぐためにも控えましょう。


また、下痢型の過敏性腸症候群の人は冷たい食べ物や飲み物にも注意が必要です。腸が刺激されてぜん動運動がさらに活発になってしまいます。食事をする場所の冷房が効きすぎて寒い場合も同じことが起こるので、環境にも配慮したいですね。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 


1日3回!食事時間のリズムを一定に

腸の動きを整えるためには、できるだけ食事時間のリズムを一定にさせることが大事です。また食事の回数は1日3回に分けるのが理想的です。


1日2食にして1回あたりの食事量を増やすと、それだけ腸への負担が大きくなり、腹痛などを悪化させるおそれがあります。


また、ゆっくり食事を摂れるように時間のゆとりを持つことも大切です。毎日時間に追われている人には難しいことですが、まずは軽めの朝食を食べる習慣を作ることから始めてみてくださいね。



過敏性腸症候群はストレスとの関連性が強いことから、日々の生活習慣の影響が大きいとされています。治療の第一歩は、食事を中心とした生活習慣の見直しと言っても過言ではありません。


たとえば、ストレスを解消させるために適度に体を動かすことは、腸の動きを安定させることにもつながります。ウォーキングのような一定のリズムで行う軽度の運動は、ストレス解消には特におすすめです。


このほか、しっかり睡眠をとることも治療に役立ちます。運動で気持ちの良い汗を流した後は、寝つきも良くなりますよ。

 

これらの生活習慣も食事とあわせて見直してみてくださいね。

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