現代女性の多くが悩んでいる生理痛。
個人差はあるものの、重い人の場合は仕事や勉強に支障が出るレベルのことも。
人によっては「生理痛で救急車を呼びそうになったことがある…」なんていう話も聞くほどです。
そんな生理痛ですが、実は菌とも深いかかわりがあると最近の研究ではわかってきています。
生理痛を軽くするために菌にできること、菌ケアの視点からKINSと一緒に探ってみましょう。
目次
- 生理痛が起こるメカニズム
- 膣を守ってくれる菌たち
- 腸内細菌と膣内細菌
- 生理の救世主!酵母菌ブラウディ
- 菌を上手に使って快適な日々を
生理痛が起こるメカニズム
生理とは、厚くなった子宮内膜が血液とともに排出されることを言います。
この子宮内膜は妊娠した場合、受精卵が着床して赤ちゃんを育てる場所です。
しかし受精しなかった場合には、必要なくなった子宮内膜が剥がれて膣から排出されます。これが生理です。
そして生理の際に、下腹部周辺が痛んだり頭痛・腰痛などの不快感を覚える症状のことを生理痛といいます。
生理痛の原因には色々な原因が絡み合っているのですが、大きく関連しているのは「プロスタグランジン」というホルモン。
プロスタグランジンは、痛みをもたらすもととなる成分で、生理のときには子宮を収縮させる働きもあります。
これはいらなくなった子宮内膜を、外に排出しやすくするためです。
子宮をギュッと収縮させることになるので、その影響で下腹部の痛みが起こると考えられています。
また、プロスタグランジンは子宮だけでなく、血圧や心機能、消化、アレルギー反応など体内の様々な機能を関わっている一面も。カラダの生体機能を維持するため、ときには異常を知らせるために大切な役目を果たしている生体物質です。
はっきりと解明はされていませんが、生理時の頭痛なども過剰なプロスタグランジンによるものではないかと考えられています。
そして実は、このプロスタグランジンと菌にも意外な関係があることが分かっています。詳しくは後ほどご紹介していきます。
膣を守ってくれる菌たち
私達の体内には、数え切れない常在菌が存在しています。
腸内細菌や肌の常在菌などはイメージがわきやすいと思いますが、生殖器も例外ではありません。
実は膣内にも、常在菌が無数に住んでいるのです。
乳酸菌が膣を清潔に保ってくれている
膣内の常在菌で多いのは乳酸桿菌など。
こういった常在菌がいることで、外部からやってくる病原菌などが繁殖しづらい環境を保ってくれています。
しかし、疲労や体調不良など様々な原因で、膣内の常在菌バランスが崩れてしまうことも。
雑菌が異常繁殖することで、「細菌性腟症」のような疾患が起きることもあります。とくに膣は構造上、尿道や肛門とも近いので悪い菌に晒されやすい環境にあります。
繁殖した雑菌は子宮頸管や子宮内に入ると、内部でさらに炎症を引き起こしてしまう可能性も。慢性的に繰り返すこともあるため、早期に対策することが大切です。
膣の菌バランスの乱れは洗い過ぎが原因?
膣内の常在菌バランスは、「洗いすぎ」によっても乱れることがあります。
本来、膣内は常在菌が自然にバランスを取って、雑菌の侵入を防いでいるもの。
しかし「デリケートゾーンは清潔に保たなくては」と思うあまり、石けんなどで洗いすぎると良い菌まで奪ってしまい、膣内がアルカリ性に傾いてしまうことがあるのです。
膣内は弱酸性に保たれているのが正しい状態。
つまり、デリケートゾーンケアは洗浄力が強過ぎないもので、ほどほどに行うのが良いでしょう。くれぐれも洗いすぎないように気をつけてください。
腸内細菌と膣内細菌の関係
私達の腸内には腸内細菌が存在していて、腸内フローラを形成している、というのはKINSでも日頃からお伝えしています。
しかしこの腸内細菌と、膣内細菌に実は密接な関わりがあることはご存知でしょうか?
腸内にもカンジダ菌が存在している
例えば膣内に常在菌として存在する、カンジダ菌。
カンジダ菌は通常の膣内細菌バランスであれば害がないのですが、疲労やストレスなどでバランスが崩れると増殖しトラブルを引き起こすことも。
カンジダ菌が原因で炎症やかゆみ、異常なおりものなどが出てしまう状態は膣カンジダ症と呼ばれています。
このカンジダ菌ですが、実は腸内にも存在しています。
腸内フローラがバランスの取れた状態であれば、腸内のカンジダ菌は善玉菌のエサとなったりと害にはなりません。
しかし腸内環境のバランスが乱れてカンジダ菌が増えてしまうと、腸内で炎症が起こり、下痢や便秘、ガスや膨満感、その他色々なトラブルの原因となるのです。
腸内でカンジダ菌が増えることが、膣カンジダ症を引き起こすことも。カンジダ菌を異常な繁殖を抑えていくことが、繰り返しがちな膣カンジダの改善に繋がるかもしれません。
カンジダ菌の異常増殖が生理痛につながる?!
また、腸内細菌はホルモンの産生にも大きく関わっています。
生理痛の原因ホルモンであるプロスタグランジンが、腸内のカンジダ菌から産生されるという研究結果もあるのです。
腸内環境が悪くなりカンジダ菌が増えることで、間接的に膣カンジダ症や生理痛が引き起こされると考えられます。
またこのカンジダ菌ですが、低用量ピル(経口避妊薬)を飲んでいると増えるという報告もあります。
これはピルに含まれる女性ホルモン「エストロゲン」の働きで、腸内にカンジダ菌のエサとなる物質が増殖してしまうためです。
「生理痛がひどい」という理由でピルを飲む方も多いですが、そのために腸内細菌バランスが変わってしまう可能性もあるのです。ピルを飲まれる場合には、腸内細菌を育てる菌ケアも合わせて取り組むと良いでしょう。
腸内にカンジダ菌が増えると、膣カンジダ症や生理痛の原因にもなり得るということ。女性の健やかなバランスを保つためには、腸内細菌にも注意をはらう必要がありそうです。
生理の救世主!酵母菌ブラウディ
生理痛の原因になると考えられるホルモンのプロスタグランジンですが、実は3種類あります。
その中で子宮の収縮に関わっているのが、「プロスタグランジンE2」というもの。
このプロスタグランジンE2は、腸内のカンジダ菌から産生されるということがわかってきています。
腸内環境が乱れてカンジダ菌が増えることによって産生されたプロスタグランジンが、生理痛を引き起こしている可能性も考えられます。
生理痛に悩んでいる人は、腸内環境から見直してみることも対策の一つとなるのではないでしょうか。
酵母ブラウディについて
腸内環境に良いとされる善玉菌には色々ありますが、その中でもカンジダと関わりがあると注目されているのが「酵母菌ブラウディ」。
聞き慣れない方も多いと思いますが、酵母菌ブラウディは腸内環境の改善に役立つとされ、最近ではサプリメント成分にも使われています。
もともと、ベトナムで飲まれていたライチ飲料から発見されたという酵母菌ブラウディ。
その飲料を飲むことで現地人の下痢が改善されたことがきっかけで注目されたといわれています。
酵母菌ブラウディは腸粘膜を修復したり、大腸菌やサルモネラ菌のような病原菌を身体から排出することを助けてくれる頼もしい菌です。
カンジダ菌の増殖を防ぐという働きも近年報告されています。
摂取することで、カンジダ菌の不活性化を助けてくれる酵母菌ブラウディ。
生理痛が気になっている人には注目の菌と言えそうです。
また生理痛以外にも、カンジダ菌が増えて膣カンジダ症になってしまうのは避けたいもの。
腸内細菌・膣内細菌ともにバランス良く保つために、酵母菌ブラウディが心強い味方になってくれるかもしれません。
菌を上手に使って快適な日々を
慢性的に悩まされている方も多い生理痛。
生理痛と腸内細菌の意外な関係や、膣内細菌との関わりについてご紹介しました。
生理痛が辛い時には、もちろん適切にお薬などの力を借りることも必要です。ただ、合わせて根本的なところから対策することも、それ以上に大切です。
生活習慣を見直すことで生理痛とサヨナラできるならば、それに越したことはありませんよね。
腸内細菌のバランスは生理痛や膣内環境とも、深く関わっています。
毎日の菌ケアで工夫していくことで、生理痛に悩まされにくい理想的な菌バランスを目指すことが大切です。
KINSでは検査キットやLINEサポートもついたサプリメント「KINS BOX」で、自分に最適な菌バランスを見つけるお手伝いをしています。
自分の菌バランスを知ることは、自分を知ることの第一歩。
毎日の生活で菌ケアを上手に取り入れて、快適な日々を送りましょう。